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古谷 一幸; 若井 栄一; 安堂 正巳; 沢井 友次; 岩渕 明*; 中村 和幸; 竹内 浩
Fusion Engineering and Design, 69(1-4), p.385 - 389, 2003/09
被引用回数:23 パーセンタイル:80.61(Nuclear Science & Technology)原研では、発電実証プラントに水冷却型固体増殖ブランケットの装荷を予定しており、その構造材には低放射化材F82H鋼を提案している。前研究にて、ブランケット構造体モックアップをHIP接合法により製作し、その製作性に問題がないことを明らかにしたが、HIP接合部周辺に結晶粒の粗大化が見られた。これは接合強度を劣化させる懸念があるため、モックアップ健全性評価の一環として粗大化を伴うHIP接合部の引張り試験、及び硬さ測定を行った。引張り試験は室温から773Kまでの温度範囲で行った。HIP接合部の強度は、IEA標準材と比較して約50MPa増加し、延性は約4%低下した。粗大化領域及び非粗大化領域間での硬さは同等であったが、両領域の硬さは、標準材と比較して約5%増加した。このことから、引張り特性の変化は全体的な硬化によるものと思われる。一方で、結晶粒粗大化を伴わない母材部の引張り及び衝撃試験を行った結果、母材部の引張り特性は接合部と同様の傾向であったが、延性脆性遷移温度(DBTT)は標準材に比べ高温側に約40K移動していた。これはモックアップ製作行程中の熱処理が原因と思われる。これらの結果より、粗大化をともなうHIP接合部のDBTTの高温側への移動が推測される。